<内容>
スマホ越しの恋と優しい嘘が、閉じこもっていた世界を変える。
京都に住む花子は、高校時代の人間関係のトラウマをきっかけに家から出られなくなり、引きこもっていた。
唯一の外との繋がりは「カコ」名義でプレイするゲームアプリ「flower story」。
そこで偶然出会ったレンというプレイヤーと毎日メッセージのやりとりをするうちに、花子は彼に惹かれていく。
――レンの誕生日。
花子がレンに贈ったものは、心を込めて綴ったメッセージ。
その返信は「突然なんだけど、会いたいです。京都へ会いに行っていいかな?」という言葉。
過去の傷から人と会うことに怯える花子は、緊張のあまり気を失ってしまう。
……目を醒ましたのは、約束の日の夜。
慌ててスマホを見るとレンから「今日はありがとう。花子って呼んでいい?」というメッセージが届いていた。
知られるはずのない本当の名前。いつのまにか増えていく会っていないレンとの思い出。
スマホから生まれた恋と、自分が吐いた優しい嘘。
「大階段の鐘の下」「哲学の道」「貴船神社」、京都を舞台に描かれる、
美しく謎めいた恋模様の行方は―――。
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木爾チレン /
中村佑介